2015/01/16
〜はっ…相変わらず甘いね

「キャロリング」
〜有川浩〜

『キャロリング』:有川浩(ありかわ ひろ):2014年10月25日:\1400:幻冬舎:県立M高校図書館
 甘すぎるっていう批判をかわすために航平の両親の復縁はダメにしておいて
〜30代前半になった大和俊介の務める零細子供抜くメーカー・エンジェルメーカーは,12月25日に会社を畳むことになったが,俊介の母の友人であった社長の英代は夫から継いだ会社が給料も払えなくなって倒産する前に整理したいとさばさばしていて,従業員も慌てていない。最古参のデザイナは人形服のメーカーへ行くことが決まっており,元恋人の柊子はどうやら故郷の新潟に戻るらしい。別れを切り出さざるを得なくなったのは,父が母に暴力を振るって,その矛先が自分に向いて離婚となり,それを母親が迷惑と考え,高校の時に父と再婚したのを境に一人暮らしを始め,英代に接近してアルバイトから正社員になるという,夫婦関係に限界を見ていることが原因だった。結婚して子供を持って幸せになると云う将来を描けなかったのだ。職住隣接の地域であることを活かして,学童保育も行っているが,そちらも一人の例外を除いて移って貰わねばならない。例外は航平という,化粧品会社に勤める母がハワイに転勤するのに付いていく男の子は廃業まで預かる。出世している妻に嫉妬し,同じ会社に勤める気まずさから,浮気に走って,横浜で別居生活を始めたのは,自分が喧嘩を止めなかったせいであると責任を感じ,仲直りさせたいのだ。父は横浜の整骨院を手伝い,院長に入れ込んでいて,航平の話を聞こうとしない。柊子と大和も巻き込んでしまうが,整骨院はオーナーからの立ち退き依頼を受けている闇金の厳しい取り立てを受けている。常連の資産家の大獄はビルを買い取ってそのまま営業を続けさせるという闇金の甘い誘惑が詐欺であることも気が付かない。航平は柊子や大和の協力を得て,食い止めることができたが,赤木というやくざの末端を動かしている闇金業者は,預かっている女の子が風俗に沈むのを阻止しようとして上部組織に2000万を用意したい。半端物を切り捨てられないボスに感謝する手下は,父に気持ちを伝えたい航平と柊子を攫って,身代金を取りたいと,咄嗟に誘拐を決行する。自分も警察からの追究を逃れられないと判断した赤木は,手下の計画を修正して乗ることにした…〜
 NHKのBSで昨年暮れにドラマになっているが,有川さんは芝居に入れ込んでいて,阿部丈二という役者と劇団を立ち上げているが,そのBSドラマにも彼が出ている。柊子が優香で,航平の父がアリとキリギリスの石井,航平が福君だったが,福くんって舌が上手に回らない印象が残っていて,航平のように大人顔負けの識見を持ちながらも,子供らしい発想で奮闘するイメージと重ならない。甘甘の結末がお約束であるが,その批判をかわすために,長々と田所家の和気藹々としたクリスマス・パーティーを描いておいて,自分の子の父親としては認めるが,夫と見なすことは出来ないと云わせて厳しさを滲ませておいて,はっきりと描かない大和と柊子のハッピーエンドを予感させているので,はぁ…って感じ

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最終更新日 : 2015.01.17

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