2015/01/15
〜拍子抜け

「窓から逃げた100歳老人」
〜ヨナス・ヨナソン〜

『窓から逃げた100歳老人』:ヨナス・ヨナソン:柳瀬尚樹(やなせ なおき)訳:2014年7月6日:\1500:西村書店:県立M高校図書館
 どのメディアも煽り過ぎていて,実際に読むと…
〜アランは百歳の誕生会を拒否する意味で,老人ホームの窓から逃げた。バス駅では,トイレに入りたい若い男にキャリーケーズを預けられ,バスに乗ったが,降りた先は廃線になった駅の近く。そこには元怪盗ユーリウスがいたが,追いついてきたボルトを板きれで殴りつけ,冷蔵室に閉じ込めて,冷却ファンを廻したまま,ウォッカに酔って寝てしまった。トランクの中身は5000万クローナ。翌朝,点検用トロッコで工場まで運び,何処へ行くか判らない荷の中に詰め込んだ。売れないホットドッグ屋のメルセデスを買い上げ,ベニーもお抱え運転手として採用した。南に向かい,湖畔農場に暮らす赤毛女性・グニラは,サーカスから逃げたアジア象を飼っていたが,犯罪組織<一獄一会>の手下・バケツがすぐにムスタングでやってきた。拳銃で皆を脅すが,アジア象はアランの命令で,バケツの上にお座りをしてしまった。象のソニアを連れて行くためのバスを用意したが,カラカスという南米出身の手下が帰国してしまった犯罪組織のボス・鬼魳はBMWでバスを追い越し,道を塞いだが,バスは停まることが出来ず,鬼魳は怪我を負って,老人達の手当を受ける。警視と検察官は,行方不明者が100歳老人を中心とする一味に殺されたと指名手配を行うが,行方は判らない。一行は,ベニーの兄・ボッセの農場に匿われていたのだ。警視が辿り着いた時,ジブチとラトビアで遺体が発見される。検察官は起訴を断念し,アランらは物語をでっち上げ,無罪放免となってバリへ旅立つ。アランは3年しか学校へ通わず,ダイナマイト工場で爆発物を学び,スペイン人の着火人に付き添って,スペインでフランコを爆破から救い,アメリカを経由してスウェーデンに帰ろうとして,帰国できず,爆破のエキスパートとしてアリゾナで,原爆開発の最後の決め手を口にした。ウランの臨界量を二つに分け,ダイナマイトで両者を合体する方法だ。トルーマン大統領を介して,宋美齢と知り合ったアランは中国で橋を爆破するエキスパートとなったが,捕らえられた江青という女性を解放し,チベットからヒマラヤを越えて歩いてスウェーデンに帰ろうとしてイランで足止めされる。前首相となったチャーチルを爆殺から救い,暫く振りで帰国できたが,近づいてきたのはソ連の物理学者,巧みに誘導され潜水艦を使って拉致され,モスクワでレーニンから原爆開発への協力を求められるが,それを拒否すると,ウラジオストクの強制収容所に送られた。そこにはアルベルトの弟・ヘルベルト・アインシュタインもいたが,間抜けすぎて監視の目も緩い。5年以上を過ごし,ようやく得た脱出のチャンスは,朝鮮戦争で使う物資が汽車で運ばれてくるところにロケット弾を打ち込んで,混乱に乗じて,北朝鮮から韓国へ抜ける方針だった。大災害に発展したウラジオストクの様子を丘から見ていた元帥の軍服を奪ったアランとヘルベルトは金正日と面会し,金日成に面会したが,本物の元帥の登場で窮地に立たされたが,場所が旧満州で会ったため,その場にいた毛沢東に妻の恩人だと訴えて救われた。トルーマンから蒋介石・毛沢東へと渡った米ドルでバリでの暮らしは楽だったが,ヘルベルトは飲み物の注文も憶えられない現地の女性と結婚し,アマンダと名乗らせた。ホテルを辞めたアマンダはふんだんに金を使って知事となり,ホテルを買収して,山が噴火するまで優雅な暮らしを続けた。スハルト大統領は駐パリ大使に任命し,アランは,犬猿の仲のド・ゴールとジョンソンの関係を平和に保たせた。ジョンソンからはCIAのスパイの誘いを受け,モスクワで機会を狙って,ユーリに再会し,核軍縮に向かう為の作文を拵える。帰国したアランは,猫との暮らしを狐に奪われたと,爆殺で復讐したが,同時に家を失い,規則尽くめの老人ホームで百歳の誕生日に見世物にされそうだったのだ〜
 最初ノンフィクションだと思っていて,すぐにフィクションだと気付き,絶賛の声に驚いて,冷めちゃった。作者はフィンランド人でスウェーデン語で書いて,フランス語から柳瀬さんは翻訳?

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最終更新日 : 2015.01.16

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