2013/06/27
なるほどねとは思うけど・・・賢しらだな〜

「珈琲店タレーランの事件簿2」
〜岡崎琢磨〜

『珈琲店タレーランの事件簿2』:岡崎琢磨(おかざき たくま):2013年5月9日:\648:宝島社:県立M高校図書館
 彼女はカフェオレの夢を見る
〜僕がタレーランで過ごしていると,晶ちゃんが芋羊羹を土産に里帰りしていた東京の話を始める。沖縄のコーヒー園で働く彼女の姉が彼氏に失望し,傷心旅行から帰って引っ越し先を決めて埼玉に住まい始めると,絶縁したはずの彼から,教えてもいない住所に手紙が届いたが,その消印が一月も前のものだというのだ。バリスタ切間美星は謎解きをするが,その結果を聞いて晶ちゃんは失望する。姉に代わって沖縄を訪れ,事情を聞いて手紙を書き,自宅宛に送って,姉の帰国・引っ越しに合わせて,自分の足で郵便受けに投函したのだった。適当な謎解きを求めて,それを話して封を開けさせ,読んだ姉の心変わりを期待していたのだが,晶ちゃん自体が彼に気があることも言い当ててしまったのだ。美星は学生の妹が訪ねてくるので紹介すると言う。京都駅で待ち合わせて,伏見稲荷を見物し,山を一巡りするという美空を置いて,京都駅に戻って昼食を摂っていたが,外から二人を除いている中学生男子はまるで狐の様だった。2時間後に再会した美空が山頂で撮って貰ったスマホの写真には,狐顔をした中学生が写っていた。時間的にありえないなら,双子しか理由はないと僕アオヤマは思うのだが,美空が来て伏見稲荷を歩いて廻ったのは昨日の事だと美空は見破る。姉に知られたくない相手,多分男と会っていたのだろう。夏休みの間,美空はタレーランでアルバイトをすると決まった。女子高校生がラテアートに教えると大叔父というオーナーの藻川又次が安請け合いし,怒るのは美星だ。彼女は思いを寄せていた男子を同じ調理部員に獲られて,ありふれたパスタではなく,葉っぱとハートと猫を発表会で描いて見返してやりたいというのだ。1週間の練習の後の首尾はどうかと気にしていると,恋敵がハート型を崩して横槍をいれたのだが,一部始終を写していたハンディカメラに,犯行は写っていないと言う。美星は,普段の言動から,調理部の皆が示し合わせて,撮影を一時中断し,その隙に恋敵がパスタでハートを崩したのだ見破る。女子高校生は,片方に恋敵の葉っぱを,もう一方に彼氏の猫を,真ん中にハートを描いて,そのハートを稲妻で裂くつもりだったのだ。20年前に駆け出しの作家の,人気作家が同人誌に発表した習作を盗作したと疑われた「珈琲探偵レイラの事件簿」を美空が持っていることに僕と美星は読んでみた。トリックも稚拙,状況設定も稚拙,珈琲の事もよく知らずに書いている。その間,オーナーは珈琲の名店を取材するフリーライターの取材を受けているが,話題は資産運用に移っている様だ。藻川老人はトルココーヒーの道具であるジャズベをやろうと,ライターに言うと,老人がバンド活動をやっている美空に買い与えたジャズベースを手にしようとして,取材がインチキだと見破り,撃退した。ブラーの「コーヒーとTV」をBGMに聞き,美空が拘わった人探しの話を聞く。3年後輩の別れた彼女が家賃も払えないほど困窮して失踪したのを,後輩と共に自宅に訪ね,鍵の掛かっていないドアを開けると,センターテーブルに福井県のガイドブックが置いてあり,東尋坊で自殺する気なら大変と,翌朝列車を乗り継いで一泊3千円の民宿で見つけたというのが,鍵は掛けて出たと彼女は言うのだ。合い鍵はなく,前夜に実家の母に聞いても素っ気ない返事を返されていた。美空のクレジットカードで電車代を払ったのだから,元彼が密かに合い鍵で開けて,ヒントを美空に見せて,彼女の財布を宛てにしたのだと僕は思うのだが,美星の推理は違っていた。電話を受けた神戸の母親が聞いて直ぐに車で東京の娘のアパートを訪ね,福井に行ったと推理して,その足で福井へ車で向かったが,列車を乗り継いだ美空の方が早かったのだと推理したのだ。美空が会っていた相手は,ペンネーム梶井文枝こと深水,偽取材でタレーランを訪ねたフリーライターだった。美空は,実家で古い新聞記事を見つけ,父かも知れないと密かに面会を重ねていたのだった。姉にも会わせなくてはならないと深水の車に乗ったが,深水は豹変し,睡眠薬の入ったコーヒーで美空を眠らせ,藻川が持っている金を身代金に充てる誘拐事件となった。一千万の現金がすぐ用意できるはずはないと思うが,藻川老人は銀行に頼らず,金庫に金を置いていたのだ。美星は僕に店を出て,警察に通報する様に命じ,固定電話の転送機能を使って,すぐに車を出し,美空が僕に送ってきた絵文字一つのメールを手掛かりに僕が出入りしているロックオンカフェに行くが,気配がない。赤い太陽から連想されるのはロクオンだが,もう一つ美空と交わした会話の中に,金閣寺があった。鹿苑寺に違いない。犯人の指示は金の入った鞄を川に投げろというものだが,単独犯だと読んでいる美星は,そんなはずはなく,金閣寺の近くで投げ出させる積もりだと踏み,僕をタクシーで金閣寺付近で向かわせ,金を取りに行く隙に深水の車ごと美空を救出する作戦を立てたのだった。その最中に,僕と美空は付き合っているに違いないと断言するだが,まあ確かに美空に付き合って,美星に内緒で父親探しに協力はしていた。救出した美空の側で,父親は22年前に大雨の後の川に落ちた娘を救おうとして命を落としたことを母が残していた新聞記事で知っていたのだ。22年前に2歳と言うことは,妹の美空は幾つだったのだ?〜
 カフェオレの夢とは2歳の時に落ちた濁流を思い出すと言うこと。1冊がちゃんとミステリー仕立てになっているが,出来過ぎていて嫌い・・というか,ミステリーは好きじゃないかも。双子ネタねえ

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最終更新日 : 2013.06.27

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