2013/05/30
凝り過ぎ〜

「夢幻花」
〜東野圭吾〜

『夢幻花』:東野圭吾(ひがしの けいご):2013年5月2日:\1600:PHP研究所:県立M高校図書館
 ガリレオを絡ませて映画が一本作れそうだけど
〜蒲生蒼太は子供の頃,毎年通っていた入谷の朝顔市が嫌だった。偶然知り合った伊庭孝美という同じ中2の女の子と知り合いになり,淡い交際を夏休みに始めたが,父にパソコンのメールをチェックされ,交際を禁じられた。それでなくても,兄とは腹違い,浪人生活を経て,大阪の大学で原子工学を学んでいるが,大学院で就職の説明を受けても原子力関係で働くのは気が進まない。父の三回忌だから帰って来いと母に言われて,やむなく帰ってきた。水泳のオリンピック候補になっていた秋山梨乃は突然,泳げなくなって,大学の水泳部も辞めたが,理由を聞かれるのが嫌で,実家に帰らず高円寺のアパートで暮らしているが,従兄弟の尚人が自殺したと聞いては葬儀に出ざるを得ない。尚人は高校時代からバンド活動を開始し,大学を中退してペンデュラムという名で活動していた。梨乃にすれば才能溢れる男だったのに自殺の理由が分からない。葬儀の席で久し振りに祖父の周治と話をして,梨乃の泳ぐ姿を見
られなくて残念だと優しい言葉を掛けられ,西荻窪の家に遊びに来る様に促された。やることもない梨乃は祖父が仕事の延長で始めた花作りの写真をブログに挙げる手伝いを始める。黄色い花の写真を見て,これをアップしようとすると祖父はしてくれるなと不思議な事を言う。大学の昼の講義が終わって,久し振りに祖父宅を訪ねるために午後1時に電話を掛け,午後5時に敷居を跨ぐと,頭を殴られ,首を絞められた死体として転がっていた。独居老人を狙った強盗だと所轄の早瀬刑事は思ったが,概要は掴めない。秋山老人は,今は別居している早瀬の息子がDVDを万引きしたと疑われた事件の恩人だ。タグ付きのDVDをアルミホイルで包んで盗み出せるかの実験に使われるところを見ていたのだった。息子は何とかして,殺人犯を捕まえて欲しいと願う。梨乃の許には蒲生という警察庁の役人が身分を偽って現れ,黄色い朝顔の写真を見せ,それがなくなっている事に関心を寄せて,色々と聞いてくるが,MM事件という謎の言葉を残し,これ以上黄色い花の件には係わるなと言う。梨乃は名刺を頼りに蒲生家を訪ねると,弟の蒼太が出てきて兄の身分を伝える。黄色い朝顔は存在しない筈と言う蒼太は,梨乃に兄が何をしているか,秋山周治殺害事件の謎を二人で追うことを決める。従弟が抜けたペンデュラムが新しいキーボードを入れて活動を再開すると聞いて演奏を聴きに行った二人は,新しいキーボードが初恋相手の伊庭孝美だと直ぐに分かったが,人違いだと剣もほろろの扱いをされる。二人は,もう一人の従弟・知基にバンドメンバーに繋ぎをつけるが,彼女はケイコという名だが,メンバーを抜けると電話してきたきり,行方が知れない。明らかに素性が知れて姿を消したのだ。殺された秋山周治は久遠食品研究センターに勤め,青いバラを造る研究していたが,他企業に先を越され,定年後の嘱託契約も打ち切れたと元同僚でたった一人の研究部員・日野は説明する。梨乃と蒼太は,尚人とは高校時代からのツートップの雅哉と会い,女性メンバーを紹介された工藤アキラのライブハウスで工藤から説明を受けるが要領を得ない。梨乃の水泳仲間から伊庭孝美を探ると,名門大学の薬学部に入って,工藤のライブハウスに通う前に休学し,勝浦に一週間滞在していることが判明した。勝浦といえば,工藤の別荘があり,山の中なので音を出しても問題ない場所だった。元の持ち主は,田中という姓で,息子が50年前に日本刀で何人もの人を殺した事件を起こしていることを知った。MM事件とは,マリリン・モンローの死に衝撃を受けた田中が血迷って何人もの命を奪った事件だったのだ。早瀬は,状況から日野が午後3時以降に会社を抜け出して,元の同僚が殺された現場に行き,黄色い朝顔を鉢を持ち出していた真相を掴んだ。それを警察庁の蒲生に伝えると,殺害犯はマサヤであることを早瀬に伝えた。工藤が買った旧家は,江戸時代から密かに伝えられた黄色い朝顔を伝えてきた家で,その種を食べると幻覚が起こり,芸術的インスピレーションを得ることを知り,行き詰まっていた尚人とマサヤに与え,名曲を生みだしたのだった。種が尽きた尚人は僅かな種を祖父の周治の所に持ち込み,栽培を依頼したが,祖父は黄色い朝顔の種が禁断の実だと知っていて,マサヤが訪ねてきた時に警察に通報すると云い,焦ったマサヤは思わず,周治の首を絞めて殺害してしまったのだった。尚人の自殺も種を食べて錯乱状態に陥った末の結果だった。蒲生家は代々,黄色い朝顔の秘密を伝え,世に出ない様に活動してきた一家で,蒼太の母は種を食べ錯乱した田中が起こしたMM事件で生き残った女性で,被害者の子に真相を伝えないことを父母兄の中で決めていたのだった。伊庭家は代々医者の家系で孝美の祖父は黄色い朝顔の種を麻酔薬に使えないかと政府の密命を受けて研究していて,孝美のその存在を知って,薬学的興味から研究する内,蒲生兄と連携する様になっていたのだった〜
 版元が違うからガリレオシリーズでの映画化は実現しないだろう。映画化する時には,複雑すぎる人間関係を単純化するであろうな

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最終更新日 : 2013.05.30

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