2013/05/12
うん,凝った設定〜

「思い出のとき 修理します」
〜谷瑞恵〜

『思い出のとき修理します』:谷瑞恵(たに みずえ):2012年9月25日:\600:集英社:県立M高校図書館
 女の子が好きそうな凝ったお話
〜明里は大型チェーンの美容室の仕事と恋を諦め,思い出の地方の町の美容室が空いていることを知って越してきた。小学校2年の夏休みを過ごした場所で,当時は賑わっていた商店街も,シャッター通りになっている。開いているのは斜め前の時計店,ショーウィンドウには「思い出の時 修理します」とプレートが出ている。思い出なんか修理できないと思うのだけど,よく聞けば「間」が抜けただけだと28才の若い店主は云う。由井ヘアサアロンを開けた時,飛び出してきた黒猫を捜している若い女性がいて,神社の裏の小部屋に住む太一という大学生がオルゴールを拾ってきた。黒猫をパパと呼ぶ女性がオルゴールをプレゼントした筈だが,オルゴールに母と娘と黒猫の写真のネガを入れて持ち歩いていたのは,パン屋の息子と結婚する姿を見ようと帰ってきた,海外を飛び歩いて撮っているため,結婚できなかった実の父親だった。店はとっくに閉めていた洋裁店の老女は,お祭りの縁日で,明里に茜色のワンピースを着て周と出掛けて欲しいと願う。聞くと,思いを寄せていた男性も相思相愛だと思い込んでいた彼女が,些細な事で喧嘩別れしてしまったことを悔いているのだと云う。季節外れの日傘をさして,5才くらいの少女と豚のぬいぐるみの写真を持って商店街に現れた女性は,15年前に娘が神隠しに会い,思い出のぬいぐるみを捜している。もう一人,20才くらいの娘も豚のぬいぐるみを捜していた。閉店したおもちゃ屋で見つけたが,窓を割って持ち出したのは太一だ。川に沈んで死んでしまった母の思い出である娘に,ぬいぐるみを渡す決意を固めて,娘を川で失った女性に理由を説明すると,女性は納得した。周の昔の恋人で,周がスイスに時計修行に出掛けている間に周の兄に乗り換えた28才の女性が壊れた時計の修理を周に依頼した。電池を替えるだけで直ったが,周は時計を渡す役を明里に願った。周の兄の関係を聞いた明里は,もっと詳しく本人に聞くべきだと雪が降る六辻交差点に入り,車に轢かれそうになり,頭を打つ。夢現の中,周は春休みに出会ったヘアサロンの孫娘にもう一度会いたいと願い,周の兄は弟が独立時計職人になる事を願っていたのだ。兄は弟をスイスに訪ね,雪の中ドライブに出て対向車と正面衝突して亡くなり,周は失明の危機を兄の角膜を移植して貰って視覚を失わずに済んだのだ。明里に春休みの来た覚えはなく,しかも叔母の勘違いで連れてこられただけで,由井とは何の関係もないことを知っているが,周にそれを話せずにいる。冷たい雨が降る中,帰宅しようとして鍵を落としたことに気付いた明里は,無人の筈のヘアサロンの二階に灯りが点いているのを不審に思う。人影を見たという太一の言葉で,明里と周は家に入ると,由井のおばあちゃんがそこにいて,血の繋がりはないけれど,もう一度明里が訪ねてくれるのを楽しみにして,周から修理の終わった腕時計を預かっていることを思い出したのだ。春休み,由井のおばあちゃんは明里に会いたくて,住んでいる町まで出掛け,一晩預かることにして,インフルエンザの為に一週間も滞在させる結果となっていたのだ。明里は躊躇わず,周と付き合いたいと思うが,太一の胸元には「間」という文字がチェーンにぶら下がっていた〜
 「思い出の時 修理します」の方が良いんじゃないかなぁ。『時 』と時の後にスペース入れると,後で「間」が入ると分かって,「なるほど」となるし,時計店の窓ガラスを割って「間」を持ち出して,今も首から提げている小僧がいるのが鮮明になると思うんだけど。続きがあるとすれば,太一が本物の人間じゃなかったって話がメイン・・・いやいや・・・オカルト色は触れるだけだから,孤児で・・・って話か

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最終更新日 : 2013.05.12

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