2013/05/03
やっぱり巧いよなあ〜

「残り全部バケーション」
〜伊坂幸太郎〜

『残り全部バケーション』:伊坂幸太郎(いさか こうたろう):2012年12月10日:\1400:集英社:県立M高校図書館
 ちゃんと最後に繋がることが凄い。きちんとエンディングから考えているに違いない
〜父の浮気が原因で解散することになった早坂一家の父親のPHSに適番メールが送られてきた。「友達になろうよ。ドライブとか,食事とか」という迷惑メールだ。友達,欲しいなぁという父に母は,ドライブに行って食事もご馳走して返事したらと云い,本当に一家を乗せて食事も奢る男が現れた。男,岡田は当たり屋や人を脅す仕事をしている溝口の相棒だが,人に感謝される仕事をしたくて,確率が低い方法として,メールを送り,相手が乗ってくることを溝口が条件に出していたのだ。溝口の上には毒島がいるが,そこから独立したばかりで,毒島は怒っている。溝口から岡田に連絡があり,独立したのは全て岡田の所為にしたから,気を付けろと云う。岡田の車を尾行した軽自動車に乗り移り,30分戻らなければ車を持って行けと岡田は言い残し,戻らない。溝口がゴルゴ13全巻を読むきっかけは,小学生に暴力を振るう父親を懲らしめようと,浮気をネタに脅していた男を父親の20年後の姿に化けさせ,小振りで聞いたことのない年号を有効期間にした免許証を用意し,過去に飛ぶことを可能にするタキオンが発見されたという偽の記事を載せた新聞をわざわざ作り,このまま暴力を振るい続けたら20年後の息子に暴力を振るわれると諭す作戦を実行したのを見て,本を読まなくてはならないと溝口が思ったからだった。溝口の新しい相棒・太田は口が軽くて情けない奴だ。毒島の配下に戻って,女を攫えと云う指示を受け実行したが,大規模な検問に掛かって停められそうになる。調べた警官はナンバーを間違って伝えてもトランクに大金の入った段ボールが入っていても通してくれたことを不審に思い,代議士が刺された事件と,警察に抑えられそうな大金が絡む取引が絡み合ったのだと察し,溝口と太田と女の三人で金を山分けにして逃げることにした。女は刺された代議士の浮気相手で刺客グループの一員,代議士側から追われていたのだった。岡田の少年時代は問題児だと小学校時代の知り合いである映画監督は云う。海外出張している父に話すと,ランドセルに悪戯したり壁をペンキで四角く塗ったのは,担任の弓子先生をストーカーから守る行為であったと語る。記者に化けて幼馴染みに話を聞く溝口は,話の中に出てくるアドバルーン係のおじさんが自分であることに気が付く。溝口の新しい相棒は,ちょっとインテリの高田だ。下り坂で常套の当たり屋をやって脅しつけた相手の男は情けない奴だったが,後ろのトランクには銃を数丁積んでいて,おまけに運転席から銃を突きつけて逃げ,それを避けようとした軽トラに太腿を轢かれた溝口は毒島の知り合いの病院に入院した。高田のスマートフォンに毒島の常務からは,事務所が襲撃されたが,今同じ病院に入ってるから無事だが気を付けろと連絡がある。溝口は呑気に看護婦と親しくなり,掃除婦の厄介事を解決しているので当てにならない。気が付くと同室の先生と呼ばれる患者の元にはフルフェイスヘルメットを持って毎日見舞いに来る人間が居て,ベッド脇には白衣の入った袋が掛けてある。ヘルメットが凶器を届け,白衣を着た先生が実行に及ぶと考えた高田は毒島に急ぎ報告するが・・・〜
 岡田君はどうなったんだ?と考えていると,小学校の時の逸話が入ったり,G13読破ってどこからと思っていると説明してくれたり,痒いところに手が届く細やかさが憎いね。でも,早坂一家の行く末は,アクセルを踏めば前へ進むから・・・で終わりかい? 緻密な作り込みをしていることに読む度に感心

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最終更新日 : 2013.05.03

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