2012/12/30
こういう話だったか〜

「旅猫リポート」
〜有川浩〜

『旅猫リポート』:有川浩(ありかわ ひろ):文藝春秋:2012年11月15日:\1400:県立M高校図書館
 野良猫の話かと思ったら
〜僕は野良として1年を過ごしマンションのシルバーのバンの上をお気に入りにしていた。追っ払うわけでなく餌をくれる奴も居て,車に撥ねられて脚の骨が皮膚から飛び出して痛くて助けが欲しくて,そいつを呼ぶつもりで鳴いてみたら,案の定やってきて病院に連れて行ってくれて,ナナという名前を付けられ飼い猫になった。相棒はサトルという名で一人暮らし,子どもの頃拾ってきた猫・ハチによく似ていて尾が7に似ているので付けられたらしい。ある時から,僕を引き取ってくれる人を知り合いに募り,車に乗せられて見合いに行く旅が始まった。最初の相手はコースケという幼馴染みでハチという猫を拾い,写真館をやっているコースケの父親が飼うことを許さず,家出して願いを叶えようとしたが,すぐに見つかって学校の屋上から飛び降りる振りをして云うことを聞かせようとしても駄目で,結局サトルの家で飼うことになったらしい。小6の修学旅行で京都に行っている時にサトルの両親が交通事故にあって死に,叔母さんに引き取られることになったが,ハチは小倉の遠縁の処に行ってしまった。コースケは写真館を継いだが父親が公私にわたって口出しをしてきて奥さんは実家に帰ったまま戻ろうとしないのだという。サトルはまっさらな猫を奥さんと飼い始めて,ペットも撮れる写真館にしたら良いとアドバイスして僕と一緒に家へ帰った。次は農家をやっている中学時代の友達・ヨシミネだ。ネズミを獲るために必要だというが,既に子猫を拾ってきていたが,首を摘むと脚がだらっと下がる奴だった。ヨシミネは親が仕事に夢中で構われず父方の祖母と暮らしているのだった。中学では一緒に園芸部員となって福岡への修学旅行では小倉に住むハチに会いたくて,宿を抜け出して連れ戻される事件を起こした。僕はチャトランの狩猟本能を呼び覚ましてやり,子猫との相性が悪いと判断されてまた僕と一緒に戻ってきた。次は富士山の見えるペンションをやっているスギとチカコの夫婦だ。犬とも猫とも泊まれる宿をやっていて,猫とは直ぐに馴染んだが,甲斐犬のトラマルは主人のスギがサトルに引け目を感じているのを知っていて,サトルと僕に敵意をむき出している。彼らはサトルの高校・大学を通じての友人で,スギはサトルがチカコに近づかないように画策していたのだ。犬との相性が悪いと破談となったが,サトルは喜んでいる。次の旅はフェリーに乗って北海道へ渡り,サトルの両親の墓参りの後で,ノリコという叔母さんのマンションへ辿り着いた。その道中で会う犬猫は飼い主はもう後が残されていないという言葉だった。姉の援助で裁判官となり,姉夫婦が亡くなった後でサトルを引き取るのは当たり前だと考えて実行した人だ。暮らし始めて直ぐにサトルに打ち明けたのは,生みの親は虐待の挙げ句にゴミ袋にサトルを入れてゴミとして処分しようとした人達だったが,その裁判を扱ったのがノリコだったのだ。引き取り手のいないサトルを子どもの生めない両親は愛情深く育てていたのだった。そしてサトルは悪性腫瘍が全身に転移していて,僕を託せる人を求めていたのだが,僕はサトルの猫として最後まで一緒にいてやる義務がある。病院に泊まる日数が増えてきて,最後の見舞いに行き,隙を見て逃げ出した僕は病院を住処とする野良に戻った。青い顔をして病院に駆けつけたノリコに抱かれ,サトルの最期を看取った僕と入れ替わるように,ノリコはメスの三毛猫を拾ってきた〜
 両親に聞かされたコロボッコルの話が好きで,主人公の名前がサトルか! 村上勉の挿画も同じだし。野良が飼い猫になって他に貰われていくのが嫌で又野良猫に戻る話かと思った。主人公の出自が最期に出てくるのは意外な展開だったが,猫嫌いの叔母さんが子猫を拾ってくるのは蛇足のような気がするよ

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最終更新日 : 2012.12.30

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