2012/12/11
そういう時代なんだなあ〜

「北斗・ある殺人者の回心」
〜石田衣良〜

『北斗・ある殺人者の回心』:石田衣良(いしだ いら):2012年10月30日:\1800:集英社:県立M高校図書館
 石田さんの長編となると1800円かあ
〜橋爪至高と美砂子のあいだに一人っ子として生まれ,言葉に尽くせぬ虐待を受け,抱きしめられることもなく育った北斗は,詐欺紛いのリフォーム業に勤める父が精神を病み,精神科から総合病院に移って膵臓癌で亡くなって解放されたが,支配を求める母に暴力を振るって殺してしまうのを恐れ,児童相談所の福祉司に相談した。施設に入ることにすんなり母は同意し,数ヶ月の内に里親も見つかったが,信用できる大人か試しに試して,60代の近藤綾子をお母さんと呼び,ただ一つの命綱を得た。先輩の里子・明日実がやってきて,同じ雰囲気を漂わせている。大学にも合格し,高尾山にハイキングに行って帰ってくると,綾子は急速に体調を崩し,検査の結果,肝臓癌だと診断された。告知すべきかは明日実に相談したが,愛する者を失う怖さに震え,必死で看病する二人の許に学校時代の友人が波洞水を見舞いに持ってきた。抗癌剤を早く排出することに効果があるということだが,医学博士が作る銀は1g1万5千円,金は3万1500円,プラチナは5万2500円するのだが,利くような気がすると喜んで飲む綾子に為にせっせと北斗は注文し,生活費が底を尽き,綾子が貯めた学費にも手を付けた。4月上旬,花見の後に綾子は亡くなり,北斗は利かない水を売った博士・生田友親に復讐したいかと訊く北斗に綾子は頷いたような気がする。生田を殺す決心をした北斗は秋葉原でナイフを2本購入し,横浜の波洞研究所を訪れて下見を済ましたが,生田の周りでは詐欺の疑いも掛かっている。2度目に訪れた研究所を生田は事情聴取で留守にしており,ナイフを見られた北斗は女事務員をサバイバルナイフの一突きで心臓を止めてしまった。看護婦が様子を見に来て,逃げ出すのを追い掛け,若い看護婦も滅多突きにして殺してしまったが,肝心の生田は帰ってこない。みなとみらいのホテルに籠もっていることをテレビで知った北斗は,ホテルに花のデリバリを装って電話をし,部屋番号を聞き出し,翌朝出向いたが,待ち伏せしていた警察官に取り押さえられてしまう。死刑を覚悟する北斗だが,明日実も国選弁護人の高井も生きて償うべきだと主張する。生育歴に問題があることをアピールするため5年以上も会っていない実の母も証人となった〜
 児童虐待に,末期癌患者を食い物にする紛い物の医療行為,死刑廃止論を絡ませて,如何にも石田らしい展開

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最終更新日 : 2012.12.11

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