2012/11/13
怖い〜

「残穢」
〜小野不由美〜

『残穢』:小野不由美(おの ふゆみ):2012年7月20日:\1600:新潮社:県立M高校図書館
 実話だと思う非常に怖い
〜京都に住む小説家の私は雑誌に実話モノの怪談を書いている。あとがきに実体験があったら送って欲しいと書いたら沢山来て,編集プロダクションのライターをやっている久保さんから貰った話はどこかで読んだ話だった。夜中,仕事部屋の隣の和室で畳を摺るような「さっ」という音がして,ある時は厚手の絹の反物・帯のようなものが横切った。思い返すと似たような話を読んだことを思い出し捜し出すと同じマンションの別の部屋だった。階も位置も違うが偶然とは思えない。しかし既に転居していて手掛かりはなく,今居住している人は問題ないと言う。転居先を近所のママさん達に聞くと,隣接する一戸建ての団地には住民が居着かない家があったり,空き家もあるという。赤ん坊の泣き声が聞こえたり,壁から赤ん坊の顔を出てきたり,一家心中の家もあったようだ。伝手を辿ってマンションの建つ前を聞くと地上げに会う前にゴミ屋敷があって,母親が亡くなった後に一人暮らしをしていた男性が廊下で死んでいた事故もあったという。気味悪がって転居した先でも出る家があったり,嫁ぎ先でも悩まされた女性の母親は娘の結婚式後に着替えもせず自宅で首を吊っていた。そもそも戦後,鋳物工場があって,夜は幽霊が出るという噂もあった。自分の産んだ子を殺しては庭に埋めていた女も工場付属の長屋に暮らしていたのだ。戦前の様子を調べると,吉兼という家では精神病の三男を座敷牢に入れていたが,床下に潜り込んでは殺してやる・焼いてやると騒いでいたようだ。寺を当たると大正時代に法要を営んだ後,縁が切れている。吉兼に嫁いできた女性は福岡の奥山という炭鉱主の娘で,奥山家は旧来の採炭法で多くの犠牲者を生んだ挙げ句,主人が一家を殺害して自殺を遂げている。穢れが伝染し,移動先も穢れ,触れた人にも凶事が起こったと考えられる。福岡で有名な幽霊屋敷の跡に行ってみると炭鉱の斜坑入り口からは強い風が吹き出している気がするし,跡地に住んだ後の転居先で住民が神仏に縋っても解決されずに魔に魔をもって対抗しようとした様子があった〜
 忘れた頃に夢に見そうで嫌だ。そもそも小説か,ドキュメンタリーか判断がつかず,嬰児殺しの話が出てきて,オヤ!時代が違うぞ・・・と,ようやくフィクションだと気が付いた。怪談を辿っていくとルーツは同じ,ということはよくあるのだろうけど・・・ああ怖い

11月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2012.11.14

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送