2012/09/11

「神様のカルテ3」
〜夏川草介〜

『神様のカルテ3』:夏川草介(なつかわ そうすけ):2012年8月13日:\1500:小学館:県立M高校図書館
 さらに100円アップ
〜天神祭に金魚屋を開かねばならないと云っている肝炎の患者・横田が病室を抜け出していた。理由は別れた妻と去った息子に会うため,その横田が緊急搬送されてきたが,新任の消化器内科の小幡奈美は北海道から引き抜かれた大狸先生の弟子であるが,肝炎脳症であるにも拘わらず,必要な処置をとらず放置した。激務の中でも論文を執筆する,EUS(超音波内視鏡)を操る十年選手なのだが,手を抜く部分が分からない。多分,酔っぱらいが嫌いなのだろう。栗原と同年配の東西看護主任は,入院する30代の男性をみて,絶句する。高校時代の恩師で,卒業間際に夕食を供にしたことで,音楽教師の職を失ったのだと知ったのは後日のことだった。この患者にも小幡医師は冷たい。冷たいのも当然で,病院を抜け出してはウイスキーを病室で呑んでおり,検査の数値は当然悪化する。治す気のない患者に精力を奪われるよりも,最新の知識・技術を身につけるべきだというのが主張のようだが,緊急で入ってきた患者を診断もせずに追い返した処置に,救急の師長と衝突し,栗原も納得できない。夜間に数回吐いて搬送された島村老人は,黄疸が出ておりCTをとると膵頭部に腫瘤があり膵癌が疑われるが,以前に下した小幡の診断は急性胃腸炎。訝りながらも患者に手術を勧め,執刀は栗原の大学時代からの友である砂山次郎と決まった。大学病院の医局へ転出する卒業試験に膵頭十二指腸切除術(PD)を行うことになったのだ。長時間の格闘の末,砂山の施術は成功したが,大学病院で病理検査を行うと,癌細胞は見つからず,膵膿胞,ステロイド投薬で完治するものだった。誤診だと騒ぐ孫息子,医療事故かもと調査に乗り出す事務長に,小幡は100人の患者がいても100人とも手術を選ぶと栗原援護に回ったのだった。学生時代に結婚した10才上の夫を自分の誤診で小幡は失っていただった。医術を学び直すため,栗原は大学病院に移ることを決意する〜
 一作目が1200円で,二作目が1400円,そして本作は1500円。着実にステップアップしている。まだ,次がありそうだから,またアップかな?

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最終更新日 : 2012.09.13

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