2011/08/01
まだ混沌としている〜

「アナザー人類興亡史」
〜金子隆一〜

『アナザー人類興亡史』:金子隆一(かねこ りゅういち):2011年5月25日:\1580:技術評論社:東部台文化会館
 人間にならずに消滅した“傍系人類”の系譜
〜1ヒトの進化を概観する:ネアンデルタール人の発見は“神の創造”を揺るがせたが,ヒトの祖先の化石は続々と発見され,ヒトの系譜はますます混迷する。2ヒトの居場所:ヒト・人間・人類の特徴が何かによって系統樹は書き換えられている。3最初のサルと“ミッシング・リング”:@手足の親指が他の指と向き合っているA両目が前方を向いているB手にはかぎ爪ではなく平爪があるという条件を満たすのは6500万年前のプレシアダビス類で,そこから真猿類が登場してくるモノは特定できていないが,1800万年前は“猿の惑星”という状態だった。4最初の直立者たち:チャド湖で発見されたサヘラントロプスか,ケニアでみつかったオロリンか,エチオピアで発掘された440万年前のアルディピテクスが有力候補だが,こうなると大地溝帯の東部で森林が消失したため歩き出さざるを得なかったというイーストサイド・ストーリーは怪しくなり,雄が雌を引きつけるために食料を持ち帰るために立って歩いたのではないかという説も登場。5アウストラロピテクスの系譜:最初のホモ属はエクトゥス違いないが脳容量は多めに見積もられており,タンザニアでリーキー一族が発見したものはハビリスと名付けられたが怪しく,脳が大きくなると肉食に傾く。6「ホモ・ハビリス」は存在したか?:寒さが文化や社会性を生み出し,ホモ・エルガステルから生まれたというのが有力なのは,ミトコンドリア研究から導き出された。7ヒトの直系祖先ホモ・エレクトゥス:寒さが文化や社会性を生み出し,ホモ・エルガステルから生まれたというのが有力なのは,ミトコンドリア研究から導き出された。8もっとも近い人類の仲間:ネアンデルタール人は髭を剃り,服を着せたら,地下鉄に乗っていても異なる生物とは思わないだろうし,ましてや少女なんか,どこにでも居そう。9最後のアナザー人類:身長1mのインドネシアで発見されたホモ・フローレンシエンシスは19世紀まで生存していた可能性あり,西シベリアにもいて,適者生存ではなく,運者生存が近い〜
 表紙には「ホモ・サピエンスが誕生するまで人類は容易ならざる歴史を歩んだ。それは,われわれの祖先の遠い血縁者であるさまざまな“アナザー人類”が生き,そして地上から永遠に消えていった過去である。本書は彼らの数百万年の興亡を追いホモ・サピエンスの真の歴史に迫ろうとする」と決意(?)が現れている。脳の容積は時代を追うごとに大きくなるとか,文化を創造するのはホモ・サピエンスだけとか,適者生存という信じやすいシナリオがあって,それに何とか当てはめようとした結果,矛盾が生じて混沌が生じたのだね。domain kingdamは動物界 phylumは脊椎動物門 classは哺乳綱 orderはサル目 familyはヒト科 genusはヒト属 speciesはヒト(ホモ・サピエンス)

8月の記録にジャンプ

読書記録の目次に戻る

最終更新日 : 2011.08.01

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送