2009/10
〜10月に読んだ本〜

フリーター,家を買う。 ☆☆☆☆ ダブル・ジョーカー ☆☆☆☆ 獣の奏者W完結編 ☆☆☆ あるキング ☆☆☆
半島へ,ふたたび ☆☆☆ 鷺と雪 ☆☆☆ 植物図鑑 ☆☆☆☆ 流離 ☆☆☆
切断都市 ☆☆☆ 足抜 ☆☆ 見番 ☆☆ 清掻 ☆☆
初花 ☆☆ 物理屋になりたかったんだよ ☆☆☆ ニュートリノ天体物理学入門 ☆☆☆☆ 六月の夜と昼のあわいに
きのうの神さま ☆☆☆ 議会の迷走 ☆☆☆☆ ササフラス・スプリングの七不思議 ☆☆☆ ブラザー・サン シスター・ムーン ☆☆☆☆
静かにしなさい,でないと ☆☆☆☆ 遣手 ☆☆ 気分はもう,裁判長 ☆☆☆☆☆ 枕絵 ☆☆

冊数が多いのは真面目に仕事をしていない証拠

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09/10/31

『枕絵』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2006年7月20日:\522:茂原市立図書館
 吉原裏同心(七)

★★

〜吉原名物・玉菊灯籠を部隊にした殺しが一件落着し,神守幹次郎は,会所の御用で陸奥白河へ旅立つ。田沼意次失脚後,老中首座となった松平定信の領地である。そこには香具師わらが定信に贈った女性(お香様)がおり,田沼派の残党が狙っていた。幹次郎一行は,奇策を以て江戸へ警護しようとするが,妖しい女六十六部の一団が襲い,さらに凄腕の刺客が立ちはだかってきた〜
 ガマの油売りの浪人の正体は不明の儘,退場

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09/10/30

『気分はもう,裁判長』:北尾トロ(きたお):理論社:2008年4月18日:\1200:県立M高校図書館
 誰にも読まれた形跡がない可哀相な本

★★★★★

〜裁判を傍聴してみよう〜
 著者は1958年福岡生まれのフリーライター。よりみちパンセというシリーズで,中学生以上のすべての人のパン!セと《!》が入っている。1時間半ぐらい,読書に没頭するのは良いことだ。新知識も獲得できるし

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09/10/29

『遣手』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2005年9月20日:\571:茂原市立図書館
 吉原裏同心(六)

★★

〜遣手が二階の部屋で首を括って死んでいたが,他殺に違いない。探ると女郎時代に産んだ息子が浮かび上がり,借金を重ねた女郎が共犯と判明した。花魁と雖も櫛・簪などを草として質に入れ金を借りているのだ。それを狙って豆腐屋の倅が強奪していた。皆に頼りにされていた遣手が遺した金は200両を越え,その内,50両を信州姥捨村の弟一家,郷里の寺に50両渡る様に遺書を作っていたため,楼主と会所の四郎兵衛と幹次郎が甲斐路を使い,信州まで使いに立つが,八王子で剣呑な顔で覗いてきたヤクザ者に命を狙われたのは大火の後,吉原に戻れなかった楼主の息子であった。遣手の弟は田舎博打から土地善光寺前の博打打ちに借金を重ね,遺された金が総て自分のものになると唆され失敗した挙げ句,善光寺前の親分が会所や楼閣に金をせびるために人質を取ろうと画策し始めた。企みを挫いた一行は吉原に帰るが,ものとりが横行していて客足が遠のいていた。身代わりの佐吉に相談すると,館林家の留守居役の息子が吉原の向こうを張って遊里を深川に築こうと計画していたのだった〜
 身代わりの佐吉は幕府の隠密ですね

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09/10/28

『静かにしなさい,でないと』:朝倉かすみ(あさくら):集英社:2009年9月30日:\1400:東部台文化会館
 朝倉さんの新境地かな:短編集

★★★★

〜「内海さんの経験」:Dではないが,BでWの恵理伊が俯き気味な体勢を作らせた帰省した男に誘われて寸前まで行き,Wの手術をしに東京まで出てくるが,結局出掛けず仕舞い,男に電話を掛けても誘いには乗れなかった。「どう考えても火夫」:10歳からつきまとわれている女は高校で離ればなれになっても携帯の写メで近況を報告しているが,こちらは観られていることを意識しながら奔放に生きていて,遂にストーカーから〈やめにしないか〉と申し出があっても,やめられるものではなく,勤め先に張り紙をしようと和英を引いて出てきたスペルは【stoker】(火夫)だった。「静かにしなさい」:15年下の従妹は私が持っていないものを持っていて,わたしがそれを持っていたら実行するであろう事を小規模に実践しているのが期待はずれでじれったい。「いつぞや中華飯店で」:伯父の跡を継いで町会議員になった私に母校である短大が注目してくれたが,気になっているのは中華料理店で残飯を分けていた若い男だ。「素晴らしいわたしたち」:二人で一つの感覚を持つ相手とは彼女と別れ自分が離婚してから持ち続けたが,勤め先で人を見て,一人の感覚を取り戻した。「やっこさんがいっぱい」:40代後半からの初婚同士がテトラポットを沈めた海外を持つ北の外れで新生活を開始するが,夫はある日ぽっくり逝くことを恐れている。「ちがいますか」:46歳独身女性手取り12万の準公務員は,喘息の妹・斜視の妹とは違い,心延えを大切に生きてきたが,妹たちが幸せを掴む一方で,どうにもならない事柄が世の中には多すぎ,ねずみとダニに怯えるあまり,真夜中はコインランドリーで過ごして,清潔なベッドで寝るために男に声を掛ける〜
 女の赤裸々な告白・・・Dはデブ,Bはブス,Wは腋臭

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09/10/27

『ブラザー・サン シスター・ムーン』:恩田陸(おんだ りく):河出書房新社:2009年1月30日:\1400:県立M高校図書館
 美しい映画だった・・・感動も憶えた

★★★★

〜楡崎綾音と戸崎衛と箱崎一は高校の同期で,同じW大に通っていた。綾音は作家になろうとした時期をぽつぽつと語る。戸崎がジャズ・ベースを極めようとして普通に就職するだろうと大学時代が語られる。箱崎は異例の映画監督として受賞し,高校・大学時代を振り返る。繋がっているけど繋がっていない人たちとは自分たち三人で,高校一年の課外校外活動で空を飛んできた縺れた数匹の蛇が川に落ち,バラバラに泳ぎ去っていく光景が焼き付いている。そして三人で名画座で観たブラザーサン・シスタームーン〜
 作家と映像監督は一人称。サラリーマンは三人称。BROTER SUN SISTER MOON を観たのは試写会だったろう。美しくて感動した。感動したのは美化された(?)聖フランチェスコの生涯であったが,自分にこうした生き方は出来ないとも考えた。恩田さんは1964年の生まれだから七つ八つ下。自分の大学時代を思い出させるような話を書いている。何もなかった4年間。狭い世界で放し飼いにされていた。確かにね。自分よりちょっと上の世代を書いているのではないだろうか。いや,たかだか7・8年では大して変わっていないのかも知れない。読み始めは,第一部で恩田が物書きになるきっかけをぽつぽつ話しているだけかと感じて放り出したくなったが,彼女の「読み始めた本を最後まで読まなかったことはない」と断言して,渋々読み進めた結果が読後感を書かせている

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09/10/26

『ササフラス・スプリングスの七不思議』:ベティ・G・ナーニィ作:マット・フェラン絵:清水奈緒子(しみず なおこ)訳:評論社:2009年5月10日:\1500:茂原市立図書館
 本を置いたときに潰した蚊だ(無意識にやったのなら)凄い偶然だと思ったら・・・裏表紙のイラストの一部

★★★

〜〈世界の七不思議〉に憧れ,田舎町ササフラス・スプリングスにうんざりして,エベンは,広い世界に出ていきたいと夢見ていた。けれど,父さんは言った。「目の前にある驚異が見えないのに,世界へ〈不思議〉をさがしに行ってもむだなことだ」 そして,この田舎町で〈七不思議〉を発見したら,コロラド行きの汽車の切符をあげよう,と約束した。はじめは「ばかばかしい」と思っていたエベンだったが,一人たずね,二人たずねるうちに・・・・〜
 上の下手な要約は編集者の手によるモノだろう。1923年のアメリカの土田舎。一生海外に出ないアメリカ人が多数だと聞いている。兵隊として海外に派遣されるというのは・・・てのを他の本で読んだなあ

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09/10/26

『議会の迷走』:佐藤賢一(さとう けんいち):集英社:2009年9月30日:\1500:茂原市立図書館
 小説フランス革命W

★★★★

〜1ナンシー事件:ラファイエットの独断が目に付く→2抗議集会:ラファイエットを引きずり下ろすために民衆が大臣の辞職を求める→3議決:ネッケルの辞任を求める→4不評:聖職者民事基本法→5有無をいわせず:聖職者懐柔策→6第一人者:ミラボーが→7王の批准:聖職者共生宣誓を求める法を国王が批准→8サン・シュルピス教会:カルチェラタン近くの主任司祭に半死半生の暴行→9新しい僧侶:宣誓拒否派に代わる僧侶が必要→10聖別:宣誓派はタレーランに秘蹟を行わせる→11亡命禁止法:内親王二人がローマに行こうとして王の逃亡を危惧する→12裏側:ジャコバン派を敵に回したミラボーは亡命禁止法に反対していた→13死の床:ミラボーは死に際しタレーラン・ロベスピエールを呼ぶ→14遺言:国王一家による亡命政府設立案が密かに・相続法の草稿を表に→15獅子の居所:英雄として葬られたパンテオンは元サント・ジュネヴィエーヴ聖堂〜
 今後の予定ですが,2010年3月にX王の逃亡。2010年9月にYジロンド派の興亡。2011年3月にZジャコバン派の独裁。同念9月に[徳の政治。翌年3月陰謀の発覚。2012年9月の]革命の終幕で完結の予定。先は長いぞ,半年に一冊。作家は狡いよ,歴史的事実は動かし様がなく,既成事実を登場人物に予言させて,当てるんだから

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09/10/24

『きのうの神さま』:西川美和(にしかわ みわ):ポプラ社:2009年4月15日:\1400:県立M高校図書館
 「きのうの神さま」=今日の人,ってわけで,表紙の樹の写真が逆さなのだろうか?

★★★

〜「1983年のほたる」:村から唯一,町の塾に通う小学生の女子,一人きりの車内でバスの運転手に話しかけられ,そのバスが村の障害者を撥ねてしまう。「ありの行列」:人口500人の離島の診療所に来た代診医師。「のみの愛情」:職場で完璧な医師はナースを自宅に呼んで妻の手料理を食べさせてやるが,その妻は元救急看護師で夫が螺旋階段から落ちた所を救う。「ディア・ドクター」:兄弟の誇りだった医者の父は病気や怪我になっても決して救急車に乗るのではないと云っていたが,ゴルフ後に倒れ救急車でICUに入れられ,兄弟が胡麻の様に退化した足小指の爪を剥がそうとすると昏睡中であるにも拘わらず抵抗した。「満月の代弁者」:過疎の漁村の診療所から横浜の市立病院に異動する医師は引継が終わっても心が晴れない中,かつて勤めていた過疎の山村診療所からのラブコールに勇み立つ〜
 5ヶ月で7刷ってのが解せない。映像作家であるらしい(前に何か読んだか?)。広島県出身で,僻地の医療問題を扱っていると,彼女自身も僻地出身なのかと思わされる

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09/10/23

『六月の夜と昼のあわいに』:恩田陸(おんだ りく):朝日新聞出版:2009年6月30日:\1500:県立M高校図書館
 私にとって恩田陸はボールだ

〜季刊「小説トリッパー」に連載された絵と詩と小説(エッセイ)のコラボ?〜
 小説初心者の私にも解るものを書いてください

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09/10/22

『ニュートリノ天体物理学入門』:小柴昌俊(こしば まさとし):講談社:2002年11月20日:\900:県立M高校図書館
 知られざる宇宙の姿を透視する

★★★★

〜全体の最初と最後は「物理屋に・・・」「やればできる」と同じだが,「素粒子とその間にはたらく力」「星の一生と元素の創生」「宇宙の始まり」が目新しい部分で,素粒子と考えられていた陽子がuudと三つのクォークからなり,クォークは安定した状態では観測できない。そこで電子を陽子にぶつけてベータ崩壊で放出されるニュートリノを観測できれば謎の解明に一歩近づく。ニュートリノは無数に降ってくるので,純水の陽子にぶつかって出来るチェレンコフ光が円錐状に広がるのを観測するためにカオカンデを計画し,運良く超新星爆発を観測して,この装置の信頼度を高めることができたが,まだ謎はあり,太陽から放出されるニュートリノを精確に観測して,理論屋が理論を崩して,新理論が出るのを期待する〜
 電荷素粒子は観測しやすいが,中性子は観測しにくい。見えないから,質量があるかどうかも解らないわけだ。質量があることが観測結果から解明され,従来の太陽モデルにも変更が必要になった。高速K ̄中間子が水素書く用紙と衝突してΩ ̄とK°になりそのΩ ̄が少し走ってπ ̄と中性子に壊れ,中性子が少し走ってガンマ線A°とに壊れ,ガンマ線は電子と陽電子対に壊れていく・・・Ω ̄の曲がり具合が尋常じゃないんだよね。何年かに数度の超新星爆発よりも太陽観察の方が実績が上がるってのも納得。大マゼラン星雲の超新星爆発が注目を集め,信頼できる装置だと認められたのは素晴らしい偶然だ。こうした基礎物理学の研究が役に立つと素晴らしい。それにしても,理論物理学者を理論屋と呼び,自らは実験屋と呼ぶのは,如何なモノだろうか?

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09/10/21

『物理屋になりたかったんだよ』:小柴昌俊(こしば まさとし):朝日新聞社:2002年12月25日:\1000:茂原市立図書館
 延べ約10時間のインタービューを纏めたモノだった

★★★

〜「「やれば,できる」を大人向けにしたようなもの)〜
 ノーベル賞の威力は大したものだなあ。本の印税も入ってくるし,講演料収入もある。何をやったかは理解できなくても,大したことを成し遂げた人だと云うことは解る。オバマ君は,どうだろう? アル・ゴアは?

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09/10/21

『初花』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2005年1月20日:\571:茂原市立図書館
 吉原裏同心(五)

★★

〜吉原の文使いが63両もの大金を遺して死んだ。品川から川崎に足を伸ばし,千住は当たり前,四谷も廻って事件を解決〜
 この一冊を通じたテーマが読めないのだけど。桜の季節に,蕾の樹を植えて,終わると移植するってことはわかりました。花魁と客との文の遣り取り,面番所と会所の綱引き,松平定信の改革が始まろうとしていて不景気の風が豊後岡藩にも吹き渡り,中間が回顧され,花魁同士も競い合いがあり,札差しも懐具合が怪しい。

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09/10/19

『清掻』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2004年7月20日:\590:茂原市立図書館
 吉原裏同心(四)

★★

〜隠密同心が交代すると,与力を抑えて吉原会所の撤去を申し出てきた。北町奉行は旗本だが,大名になりたくて,工作を重ね,念流を極めた衆同好みの御家人の三男を吉原に送り込んできたのだ。一橋と田安の駆け引きの具として吉原は使われている〜
 食が進まないと云うは,よく聞く言い訳だけど・・・読が進まないのは内容の所為か?

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09/10/17

『見番』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2004年1月20日:\533:茂原市立図書館
 吉原裏同心(三)

★★

〜田沼意次が失脚し将軍が亡くなり吉原は閉門を余儀なくされる中,金貸しをしているお針が稲荷前で殺害されていた。腹違いの弟が浮かび上がり,百面の銀三というやくざ者が茶屋に嫌がらせを仕掛けてくる。吉原の芸者が女郎衆より大きな顔をし始めると,見番の大黒屋が裏で天蚕糸を引いていることが判明した。会所と見番との暗闘に,幹次郎の恋女房・汀女が攫われる。会所は松平に接近して見番の野望を挫く〜
 怖い者なしの強さ。このカバーはイラストでなく安上がりな写真だ

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09/10/15

『足抜』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2003年9月20日:\571:茂原市市立図書館
 マイナーだな

★★

〜花魁が足抜される事件が相次ぎ,府中まで追っていって先を越される。黒幕は揚げ屋の主人で,お歯黒どぶの下にトンネルを造って逃がしていたが,逃げたい者の思惑は外れていたかと思ったら,真の黒幕は旗本に輿入れしたい花魁であった〜
 この物語の主役は吉原会所の四郎兵衛だよ

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09/10/14

『切断都市』:芦辺拓(あしべ たく):実業之日本社:2004年12月15日:\1800:東郷福祉会館
 面白いけど・・・どう辻褄を合わせるのかと思っていたら

★★★

〜ウォーターカットで手足首を切断された女性の遺体が道頓堀に浮かび上がった。準キャリアの梧桐警部はギャラリーで見た「浪速百景を織り込んだ摂津国の悲劇」と重ね合わせ,被害者と犯人と思われるアーチストを特定するが,アーチストはWebで謎解きを始めていた〜
 結末は出来ていたんだろうけど,そりゃあないじゃろ! 言い訳じみたことを「あとがき−あるいは好事家のためのノート」で書いている

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09/10/12

『流離』:佐伯泰英(さえき やすひで):光文社:2003年3月20日:\533:茂原市立図書館
 東京の行き帰りで一冊

★★★

〜豊後岡藩馬廻り役は幼馴染みの女性と駆け落ちして,示現流で追っ手を撃退した。金沢では居合いを学び,執拗な追っ手を江戸に逆に追ったが,姉者の弟は吉原の遊妓を足抜けさせて逃げようとしたところを討たれた。橋場町に救う悪党を追っ払って吉原会所の四郎兵衛に腕を見込まれ,吉原の抱える厄介を解決する裏同心となる。割下水の悪党が遊郭に火を付けようという場面を阻止し,町宇行に卵をぶつけた犯人を突き止め,その遺恨を晴らす。新造の突き出しに首を突っ込んで楼に意趣返しをしようという若者を潰しながら,次々現れる討ち手には容赦ない〜
 豊後かぁ。場所は吉原で裏同心シリーズの第一作。幹次郎と汀女。設定に無理があるかなぁ。まあ次も読んでみよう

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09/10/11

『植物図鑑』:有川浩(ありかわ ひろ):角川書店:2009年6月30日:\1500:茂原市立図書館
 ラブコメに野の花を絡めて・・・喰う

★★★★

〜OL勤めをしはじめて一人暮らしをしているマンション前で,さやかは行き倒れの男性を拾うが,あり合わせの食材で朝食を作ってしまう。同棲を始めて,男性が植物に詳しく,野の草を摘んで見事に調理することに吃驚。彼は,イツキとしか名乗らない。男女の関係になるのに数ヶ月。コンビニの深夜のシフトで多少の生活費を入れるが,税と年金は払っている。楽しい生活が続くが,拾ってから1年経つと「また,いつか」とメモを残して男は消えてしまう。男が残したメモを見ながら,草を摘み,馴れない調理をしている内に,また1年が経過した。イツキは生け花宗家との縁を切り,撮り貯めた写真を手みやげに大学で職を得て,さやかの許に帰ってきた〜
 気恥ずかしくなるほど,ベタベタのラブコメ。携帯小説を本に纏めたらしいが,携帯で打ったモノではなかろう。お姫様が天から落ちてくるの反対で,王子様が行き倒れて女性の前に現れる。調理または料理を「料(りょう)る」ってのはいけない表現じゃないか?読むのも恥ずかしいが,書いていて恥ずかしくないだろうか。それが商売なら恥は忍ぶだろう。胸ときめかせて読む者もいるって事で,本は売れるのだろうから。そうそう,掻き揚げって野菜なら何でもOKというのは早速試しました

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09/10/08

『鷺と雪』:北村薫(きたむら かおる):新潮社:2009年4月15日:\1400:県立M高校図書館
 埼玉県春日部高校の国語の先生・・・ミステリ作家・・・短編かと思って受賞作を読んだらシリーズ物だった

★★★

〜滝沢家で子爵を7歳の子が襲爵したが浅草で父子爵を見たという。室町の和菓子屋の小学生が夜9時に上野で補導され,日記には浅草・上野・ライオンとメモがあった。書店で顔を合わす軍人に詩集を貰い,服部時計店に電話をした積もりで,出た相手は偶然にもその軍人で,掛けた先は総理大臣官舎〜
 これはシリーズらしくて,昭和初期の両家のお嬢さんがあちらこちらに興味を感じて,それを運転手のベッキーさん(別宮)が謎解きをするというもので,最後は226事件。最近この人の本を読んだが何だったろう。芥川賞か直木賞かを貰ったのだけど,どちらだか判断できず,インターネットで調べたら直木賞だった。まあ推理モノだからね

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09/10/07

『半島へ,ふたたび』:蓮池薫(はすいけ かおる):新潮社:2009年6月25日:\1400:県立M高校図書館
 依って立つ翻訳・異文化コミュニケーションという生業を得た

★★★

〜第1部:取材として夫婦で訪ねた韓国のソウル。思い出すのは24年間過ごした北朝鮮の苦しい生活だったが,翻訳業をやっていて,韓国の著者と会い,フランクな話し合いが出来て嬉しい。軍事境界線手前の農村では北に見られるような密植された田圃を見る。第2部:帰国して市役所に職を得たが,大学に復学し,翻訳の仕事も開始して,地元の大学で職を得て,翻訳家として生計を立てることを決意した〜
 随分,苦心した著作名だ。思わず,北朝鮮に行ったのか!と思わせてしまう。そこが売り処だろう。彼のその後の生活に関心を持たなかったが,まだ帰国できずにいるらち被害者の事を思い出して欲しいという気持ちだけは私に届いた

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09/10/05

『あるキング』:伊坂幸太郎(いさか こうたろう):徳間書店:2009年8月31日:\1200:県立M高校図書館
 東北弱小プロ野球チームの生え抜きの監督が引退前の最終試合,ファウルボールを避けようとして死亡

★★★

〜王求は東北の弱小プロ野球チームの監督がファウルボールを避け損なって死亡した日に生まれ,熱烈なファンの両親によって名付けられ,野球の王となるべく育てられ,邪魔なモノは両親が躰を張って排除した。ストライクボールは確実にホームランにする。嫉まれ疎まれ,打撃コーチに腹を刺されて立った最後の打席でも態勢を崩してホームラン〜
 現実味のある物語かなあと読み進めると,ありそう・・・ありえる・・・と思わされていて,いきなり魔女三人が登場するし,死んだ筈の監督が出てきたりして,「死に神の精度」を書いた人だから,その路線なのだろう。広島と楽天と,イチローか松井か,色々な要素を組み合わせて野球モノを一つって感じ

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09/10/05

『獣の奏者W完結編』:上橋菜穂子(うえはし なほこ):講談社:2009年8月10日:\1600:茂原市立図書館
 グリフィンとかグリフォンとか呼ばれる想像の獣が王獣のモデルなのだろう

★★★

〜閉ざされた歴史を身をもって再現するため,エリンは王獣の繁殖と馴致を,イアルは大公の下で新闘蛇部隊を築くために活動する。帝国ラーザも闘蛇部隊を編成し,リョザの支配地へ侵攻する動きを見せ,エリンは真王の要請で王獣を竪琴で操りながら戦場に赴く。闘蛇は王獣が現れると狂乱して猛毒の霧を立ち上らせ,王獣もそれにより狂乱して,周囲の人も建物も全滅に追いやる。息子のジョシも母の墜落する姿を目撃し,夫のイアルも妻の救出に駆けつけて,エリンが息を引き取るまでに口述して後世に戦いの悲惨さを残した〜
 彼女の立教大学博士課程単位取得退学(文学博士)という経歴は何なのでしょう。スランプであったらしく,気の毒ではあるが,再起したらしいので,まずはめでたい。また陥るだろうなあ。彼女の書く物語は暗い方向を向いているからなあ。意図してか無意識か,働く妻を持つ理想の夫を描いている様に思われる。

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09/10/02

『ダブル・ジョーカー』:柳広司(やなぎ こうじ):角川書店:2009年8月31日:\1500:茂原市立図書館
 期待を込めて読んでいる内にガッカリして・・・最後に逆転させられる

★★★★

〜結城中佐の諜報機関に反発を覚える軍人は多く,陸軍のナンバーツーもそうだ。彼はD機関を作るが,悉く風風機関に裏をかかれる〜
 結城中佐の組織に馴染めない勢力は当然,外務省にもいるだろうし,海軍も当然。そして陸軍内部にもいる。それを並べる必要はないじゃないかと思いつつ,部隊は伊豆,中国最前線,ベトナム,ドイツと動き,アメリカ西海岸に。開戦してしまったら,スパイの活躍の場はない!と登場人物に云わせて,一旦シリーズをうち切るだな。野性時代に書いたシリーズは,書き下ろしの「ブラックバード」の伏線だと云うことで納得

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09/10/01

『フリーター,家を買う。』:有川浩(ありかわ ひろ):幻冬社:2009年8月25日:\1400:茂原市立図書館
惜しいねえ・・・恋愛話に持っていかなければ,もう一つ★が増えたのに

★★★★

〜誠治は父が社宅代わりに借りて貰っている借家で,不自由なく,一浪して,そこそこの大学に入り,一通りの就職活動で入社した企業を3ヶ月で辞めてしまった。アルバイトをしつつ,再就職活動にも身が入っていない。母の体調が悪いのにも気が付かずにいた。近所のイジメに気が付かなかったのは誠治と父らしく,嫁いだ姉は父が情けないと詰る。昼間,母の身を気遣いながら夜の土方のアルバイトをしてみると,現場の人に悪い人はいなかった。一進一退を繰り返しながら,これから面接が始まるという悪いタイミングで母の発作が起こった。アルバイト先からは正社員にならないかという誘いもある。誠治は新しい条件で雇ってくれそうな製薬会社を袖にして,小さな土建会社に事務方として入り,疎ましく思っていた父とも簿記の勉強会を通して心が通じ合える様になり,若い者の採用も誠治の裁量に任された。天然の人なつこさを持つ一つ年下の男と,亡くなった父の仕事をやってみたいという同い年の東工大卒の女だ。その女とは発展しそうな気がするが,社宅から脱出しなくては母の心の健康を取り戻すことはできない。誠治の蓄えが200万に達し,姉から預かった百万を父の前に出し,一家の転居が決まった〜
 フリーターが拾って貰った会社で一定の成果を得て,他人の事も気遣える様になるという話は良いのだが,そこに恋愛を絡めてくると,読んでいる自分が恥ずかしくなる。まあ,有川弘の読者にとって恋話が出てこないと面白くない・・というのも理解できるのだが

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09/10/

 
 

★★

 
 

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最終更新日 : 2009.10.31

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